収集システムと輸送システム
 (社)日本下水道協会の「小規模下水道計画・設計・維持管理指針と解説」に定義されているように、分流式下水道の汚水を各家庭や事業所から収集し、処理施設まで輸送する管路施設を分類すると、おおよそ「収集システム」と「輸送システム」の二つの部分に区分されます。
 
 この二つのシステムを定義すると、おおむね表−4のようになります。これを分かりやすく表すと図−2のようになり、一般に「圧力式」及び「真空式」は「収集システム」に、「圧送式」は「輸送システム」に適用されます。
 
表−4 収集システムと輸送システムの定義
収集システム:
   主として発生源から汚水を直接受け入れて収集するために設けられる管路及びポンプ施設の総称で、自然流下方式、圧力式、真空式などにより整備される。
輸送システム:
   収集システムによって集められた汚水を処理施設まで輸送する管路及びポンプ施設の総称で、自然流下方式、圧送式などにより整備される。
図−2 収集システムと輸送システム
 
小規模ポンプ場の分類
 
 「小規模下水道計画・設計・維持管理指針と解説」の「小規模ポンプ場」の分類(図−3参照)では、主にマンホールポンプ施設は中継ポンプ場として位置付けされ、用途により@揚水ポンプ場とA圧送ポンプ場に分けられます。
図−3 小規模ポンプ場の分類 
 
 ここで、中継ポンプ場の上位概念である「小規模ポンプ場」は、管路施設における「輸送システム」として位置付けられます。一方、「小規模ポンプ場」の分類には、「圧力式」や「真空式」による収集システムが位置付けられていないため各システムの位置付けが分かりにくくなっています。
 
各システムの位置付け
 
 管路施設の区分と小規模ポンプ場の分類をまとめて圧力管路システムとして分類すると図−4に示すようになります。
図−4 圧力管路システムによる分類
 
 圧力管路システムは、収集システムとして「圧力式」(圧力式下水道収集システム)と「真空式」(真空式下水道収集システム)が位置付けられ、輸送システム(小規模ポンプ場)として「圧送式」(圧送式輸送システム)が位置付けられます。また、輸送システムには「中継ポンプ場」と「処理場内ポンプ場」とがあり、中継ポンプ場の中に「圧送ポンプ場」と「揚水ポンプ場」とがあり、各々に主にマンホールポンプ施設が用いられます。

※本文は、会誌「産業機械」に投稿した原稿を加筆修正したものである。
 
作成日:平成19年12月18日
(社)日本産業機械工業会 排水用水中ポンプシステム委員会

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