平成16年度税制改正に関する産業機械業界の要望

一般社団法人 日本産業機械工業会


重点要望項目

重点要望項目の内容

一般要望項目


平成15年9月

平成16年度税制改正に関する要望

わが国経済は一部で回復の兆しが見え始めてきたとはいえ不透明感が強い状況にあり、当業界も各社の懸命な経営努力にもかかわらず依然として厳しい状況が続いている。

経済の再生は企業収益の回復なしにありえず、企業は経済の発展を実現するうえで最も重要な主体である。当業界企業も熾烈な国際競争に勝ち残り、更なる発展を遂げるために事業や組織の見直しをはじめとする経営改革に取り組んでいるが、税制はこのような企業の自己革新を支えることを通じて経済社会の活力を最大限発揮させるものでなければならない。

法人税制については、平成11年度の株式交換・移転関連税制、13年度の企業組織再編税制、14年度の連結納税制度の導入によって税制面でのインフラ整備がほぼ完了したといえる。また、15年度には大規模な政策減税により経済活力を強化するという考え方に立って研究開発投資促進税制やIT投資促進税制が創設された。このような近年における法人税制改革の方向性や基本的考え方は高く評価できるし、関係者の努力に敬意を表したい。

しかしながら、連結付加税の存在等によって連結納税制度の活用が著しく阻害されているように現在の税制には様々な問題が依然として多数存在していることも事実である。企業が国を選ぶ時代にあって、税制には海外諸国とのイコール・フッティングの視点が欠かせないが、国際的な比較においてわが国の税制が劣後している減価償却制度や欠損金の取り扱い等について見直しを進め、国際的に通用する税制を構築すべきである。

また、わが国経済の本格的な回復のためには不良債権・不良資産処理の促進が必要であることはいまさらいうまでもない。この点に関連して現在巨額の繰延税金資産の存在が社会問題にまでなっているが、この最大の要因は企業会計が不良債権・不良資産の処理を促進させる方向で動いてきた中で、税制がこれに連動しなかったためである。企業における不良債権・不良資産処理を促進し、企業経営の健全化を確保するためにも貸倒処理等における税の判断基準を企業会計に合わせる方向で見直しを行うべきである。

 さらに、近年、地方税として外形標準課税を導入している仏国や独国において主として企業の国際競争力の観点から、その廃止や大幅な縮小が行われる中で、わが国では15年度の税制改正で十分な議論を尽くさないまま法人事業税に関する外形標準課税の導入が強行されたが、安易な法人への課税強化は地方産業の空洞化を進行させ、地方財政をさらに悪化させる悪循環を招くだけであり、地方法人課税についても抜本的改革が必要である。

上述の基本的な考え方に基づき当工業会として平成16年度の具体的な税制改正要望事項を取りまとめたので、その実現を強く要望する。

重点要望項目

1. 連結納税制度の見直し
   ・ 連結付加税の確実な撤廃。
   ・ グループ内寄附金課税、子会社未処理欠損金の持込制限及び一定の法人・資産に係る時価評価に関する現行規定の撤廃もしくは条件の緩和。
   ・ 外国税額控除の計算方法見直し。
   ・ 地方税の計算においても連結納税制度を導入。
2. 減価償却制度の抜本的見直し
   ・ 残存価額及び償却可能限度額を見直し、取得価額の全額を償却可能に。
   ・ 償却加速(資金の早期回収)に向けて制度を見直し。
   ・ 少額減価償却資産に係る損金算入限度額を30万円に引き上げ。
3. 欠損金の取扱いに関する見直し
   ・ 繰越期間を先ず7年(最終的には20年)に延長。繰戻還付を復活、期間を2年に延長。
4. 不良債権・不良資産処理を促進させるための税制措置
   ・ 私法上有効な非関連者間の金銭債権の売却や債権放棄等を税務上容認。
   ・ 子会社等に対する経営悪化段階での支援を税務上容認。
   ・ 貸倒引当金の繰入れに関する条件緩和(イラク債権等に関する債権全額の繰入れ、法的整理開始時点での繰入率の大幅引上げ、法的整理に至る前の段階での繰入れを容認)。
   ・ 棚卸資産、退職給付信託、ゴルフ会員権、固定資産に関する減損損失を税務上も容認。
5. 地方税の抜本的見直し
   ・ 法人事業税の外形標準課税に関する再検討。事業所税の廃止等、地方税全体の整理。
   ・ 固定資産税・都市計画税の土地・家屋に関する評価方法の抜本的見直し。
   ・ 償却資産税の廃止。
6. 外国税額控除制度の見直し
   ・ 控除限度超過額・控除余裕額の繰越期間(現行3年間)を5年間に延長。
   ・ 間接税額控除の対象範囲拡大(持株要件を「25%以上」から「10%以上」へ引き下げ等)。
7. 多様な事業体課税のあり方について
   ・ 米国LLC等の持分所得についてはわが国でもパス・スルー課税を容認。
   ・ 日本版LLCの導入に向けた税制面での検討推進。
8. その他
(1) 長期大規模工事以外の請負工事に関する工事進行基準の適用
   ・ 長期大規模工事以外の赤字の請負工事についても工事進行基準の適用を容認。
(2) 受取配当金の益金不算入制度の改善
   ・ 受取配当金益金不算入割合の引き上げ及び特定利子規定の復活。
(3) 法人実効税率の引き下げ
   ・ 法人実効税率を少なくとも欧州主要国並みに引き下げ。
(4) 企業年金関連税制の見直し
   ・ 年金資産に係る特別法人税の撤廃。
   ・ 確定拠出年金拠出限度額の大幅引き上げ。
(5) 環境税導入反対
   ・ CO削減効果の疑わしい環境税の導入に反対。
(6) 租税特別措置の適用期限延長
   ・ エネルギー需給構造改革投資促進税制や中小企業投資促進税制等の適用期限延長。

重点要望項目の内容

1. 連結納税制度の見直し

 連結納税制度は連結付加税の存在等、現行制度における様々な制約によって、制度が十分に活用されているとは到底いえない状況にある。連結納税制度を真に意味のあるものにするためには、制度普及の障害になっている次の事項について、早急に見直す必要がある。
(1) 連結付加税の廃止
 連結付加税は現行法の規定通り2年限りで確実に廃止すべきである。

(2) 連結グループ内寄附金の全額損金不算入の見直し

 連結グループを経済的に一体のものと捉える損益通算型の考え方からすれば、寄附金課税は本来ありえない話である。現在の規定によれば、単一企業で複数の事業を行う企業と複数企業でグループ経営を行う企業との間で税の取扱いが異なることになり、課税の公平性・中立性に反する結果になる。
 寄附金課税の最大の問題はグループ内取引について課税リスクを常に意識せざるを得なくなる結果、グループ経営の効率性を高め組織再編を促進するという連結納税の理念に全く反する結果を招くことであり、特に実務において、その影響は深刻である。
 グループ内寄附金の全額損金不算入については一定の租税回避防止規定を設けたうえで撤廃するか、少なくとも一定の限度内での損金算入を認めるべきである。


(3) 適用開始前・加入前の子会社未処理欠損金の持込制限の見直し
 適用開始前・加入前の子会社未処理欠損金の持込制限は、課税の公平性等に反し、租税回避防止の観点からも米国のように欠損金の繰越控除を当該子会社所得の範囲内に制限することで対処が可能であるから、わが国でも米国と同様の取扱いを認めるべきである。

(4) 一定の法人・資産に関する時価評価規定の見直し
 一定の法人・資産に関する時価評価の規定については、一定の租税回避防止規定を設けたうえで撤廃するか、少なくともその条件を緩和すべきである。

(5) 外国税額控除の計算方法の見直し
 連結グループを経済的に一体のものと捉えるとすれば、外国税額控除の計算に当たりグループ全体で算出された控除枠はグループ全体で使用できる取扱いに改めるべきである。

(6) 地方税における連結納税制度の導入
 法人住民税及び法人事業税の計算が単体申告を固持しているため税制上及び企業会計上の取扱いを必要以上に複雑にしており、法人住民税及び法人事業税の計算においても連結納税制度を導入すべきである。

2. 減価償却制度の抜本的見直し

 減価償却制度のあり方は当業界にとって国際競争力に直結する問題である。わが国の減価償却制度は欧米との比較において不利な形になっており、わが国企業の国際競争力確保や経済活性化のために、減価償却制度を抜本的に見直す必要がある。

(1) 残存価額及び償却可能限度額の見直し
 残存価額及び償却可能限度額は資産の処分時における回収見込額を考慮したものであるが、現実には逆に処分費用がかかる等、処分時にはほとんど回収できないのが企業における実態である。したがって、先ず、残存価額及び償却可能限度額の規定を見直し、わが国でも取得価額の全額を償却可能にすべきである。

(2) 償却加速(資金の早期回収)に向けた制度の見直し
 国際競争力確保の観点等から、次の2つのうちいずれかの方法によって資金の早期回収を認めるべきである。その際、研究開発費及びソフトウェアに係る会計処理については、企業会計の尊重及び納税コスト削減の見地から企業会計上の取扱いを容認すべきである。

@ 現在の耐用年数省令別表を大幅に簡素化(グルーピング化)したうえで、法定耐用年数の短縮化を図る。又、法定耐用年数によらない場合の取扱いについて現在の短縮申請承認制度を届出制にすること等によって短縮承認制度の弾力化を併せて図る。

A 減価償却費に関する損金経理要件を撤廃したうえで、投下資金の回収という観点から米国と同様の加速度償却制度を導入する。

(3) 少額減価償却資産に係る損金算入限度額の引き上げ
 減価償却資産の管理は企業にとって大きな事務負担を要するものである。企業の事務コストは一種の納税コストであるから企業の事務負担増は企業のコストアップを通じて結果的に国家の損失につながるともいえる。その意味で平成10年度における少額減価償却資産に関する損金算入限度額の引き下げは企業における納税コストを大幅に増大させた点で愚の骨頂であった。企業におけるIT機器の増加等を考慮し、少額減価償却資産に係る損金算入限度額を30万円に引き上げるべきである。

3. 欠損金の取扱いに関する見直し

 当業界では熾烈な国際競争の下、事業構造の変革を進めた結果、リストラ損失の発生等に伴い現在多額の繰越欠損金を抱える企業が多い。諸外国との競争が一段と厳しさを増し、国内景気も本格的な回復にはほど遠い状況の中で、事業構造の改革が実を結ぶには相当の時間を要するため、欠損金に関する現行の取扱いでは資本の維持が十分に確保できない結果になっている。欠損金に関するわが国の取扱いは国際的な比較においても不十分であり、企業の資本維持及び国際的整合性等の観点から次の見直しを行うべきである。

(1) 欠損金の繰越控除期間の延長
 欠損金の繰越制度は事業年度課税の欠陥を是正するためのものであるから、理論的には繰越期間に制限を設ける理由はなく、本来であれば英国や独国のように繰越控除期間は無期限とすべきとの考えもあるが、先ず欠損金の繰越控除期間(現行5年間)を7年間に延長したうえで、帳簿保存期間及び更正可能期間等の見直しを実施し、最終的には、欠損金の繰越控除期間を米国並みの20年間に延長すべきである。

(2) 欠損金の繰戻還付の復活と期間延長
 欧米先進国は欠損金の繰戻還付を維持しており、わが国においても平成4年の税制改正で停止されたままとなっている欠損金の繰戻還付制度を復活させるとともに繰戻期間(現行1年間)を少なくとも米国並みの2年間に延長すべきである。

4. 不良債権・不良資産処理を促進させるための税制措置

 わが国経済が本格的な回復を図るために不良債権・不良資産処理の促進が必要であることは今更言うまでもないが、現在は例えば債権放棄を行うと寄附金として認定されたり、債権放棄に条件が付されると債権放棄自体が否定される等、不良債権処理に当たっての損金算入が行政執行上不当に制限されており、この点に関する改善を図る必要がある。
 又、現在、多額な繰延税金資産の存在が社会問題にまでなっているが、この最大の要因は企業会計が不良債権・不良資産処理を促進させる方向で動いてきた中で、税制がこれに連動しなかったためである。企業における不良債権・不良資産処理を促進し、企業経営の健全化を確保するためにも不良債権・不良資産処理に関する税の判断基準を企業会計に合わせる方向で見直しを行うべきである。


(1) 寄附金課税との関連での見直し
@ 私法上有効な非関連者間での金銭債権の切捨てや売却については税務上もこれを容認し、原則として寄附金として取り扱わないことを明らかにすべきである。

A 関係会社等の整理・支援損の取扱いについて法人税基本通達9-4-1(子会社等を整理する場合の損失負担等)及び9-4-2(子会社等を再建する場合の無利息貸付け等)の要件を緩和し、経営悪化の段階での支援を弾力的に認めるべきである。

(2) 貸倒引当金の繰入れに関する見直し
@ イラク債権等、戦争等によって回収見込みがなく、且つ、相当期間経過したものについてはその実態に応じた貸倒引当金(原則債権金額全額)の繰入れを認めるべきである。

A

会社更生法等の法的手続き開始時点での貸倒引当金の繰入れは現在50%しか認められていないが、法的手続きを開始する債務者から現実に50%の回収はありえないため繰入限度額を大幅に引き上げるべきである。


B 税務上も企業会計と同様に法的整理に至る前の経営悪化の段階での金銭債権(企業会計上の貸倒懸念債権に相当)に係る貸倒引当金の繰入を認めるべきである。

(3) 不良資産の評価損に関する税務上の取扱いの見直し
@ 棚卸資産の時価の著しい下落による評価損の取扱い
 棚卸資産(特に販売用不動産)について時価が取得価額の50%以上下落することは異常な経済状況であり、かかる場合に評価損を計上するのは企業会計上当然のことされていることから、税務上も評価損の計上を認める旨の明文の規定を設けるべきである。

A 退職給付信託(有価証券)の時価の著しい下落による評価損の取扱い
 退職給付信託(有価証券)は、税務上は信託設定がなかったものとして取り扱われるため、時価の著しい下落が生じた場合には、一般の有価証券と同様に評価損の計上が本来認められるべきであり、有価証券に関する損金経理要件を撤廃し、退職給付信託(有価証券)について時価の著しい下落が生じた場合には、一般の有価証券と同様に評価損の計上が可能な取扱いにすべきである。

B 金銭債権に関する評価損の取扱い
 金銭債権についても、評価損の損金計上を認めるべきである。又、時価のあるゴルフ会員権に係る時価の著しい下落による評価損を税務上も容認すべきである。

C 固定資産の減損損失に関する取扱い
 固定資産の減損会計は不動産等に係る帳簿価額の適正化と企業会計の国際的調和の観点から導入されたものであり、税法においても減損損失を認めるべきである。

5. 地方法人課税の抜本的見直し

 国際的には外形標準課税を導入した国で廃止・縮小の動きが強まる中で、わが国では平成15年度の税制改正で、十分な議論を尽くさないまま、法人事業税の外形標準課税の導入が強行された。安易な法人課税強化は企業活動を阻害し、地域経済を停滞させる結果に繋がることから次の事項を中心に地方税の抜本的見直しが必要である。

(1) 法人事業税の外形標準課税

 法人事業税の外形標準課税は実質的な賃金課税に資本金課税を加えたものであり、企業の雇用・投資行動に悪影響を及ぼし経済の活性化を阻害するものであるので、16年度の税制改正で改めてその内容について検討すべきである。
 法人事業税の外形標準課税は、新たな課税ベースの新設によってただでさえ錯綜していた地方法人税制をさらに複雑化させることになった。企業は元々、固定資産税、事業所税、住民税均等割等、外形標準による課税を受けており、新たな外形標準を導入する以上、地方法人課税全体の整理・統合が必要である。例えば、事業所税は法人事業税の外形標準課税導入によって、従業者割について二重課税が生ずることになり、資産割については固定資産税との二重課税が既に生じていることから事業税の外形標準課税を撤回しないのであれば、事業所税は廃止すべきである。


(2) 固定資産税・都市計画税に係る評価方法等の抜本的見直し
@ 土地については地価の下落が続く中でその負担が過重なものになっており、現状の負担上限(地価公示価格に対する7割評価)の引下げを図るべきである。
A 建物についてはその評価方法を抜本的に見直し、収益還元価値を基準とする評価方法への転換を図るべきである。
B 償却資産については国際的にも生産財に対する課税は異例であることから、廃止すべきである。

6. 外国税額控除制度の見直し

 外国企業と全世界で熾烈な競争を行う当業界企業にとって国際的二重課税を排除する税制の存在は事業活動上の必要不可欠な条件である。しかし、わが国の現行税制はその内容が不十分で、現在は頻繁に二重課税が生じている。わが国企業が国際活動を展開するうえで大きな障害になっている次の事項について見直す必要がある。


(1) 控除限度超過額及び控除余裕額の繰越期間の延長
 発展途上国におけるプラント工事等については外国所得の発生時期と現地での課税時期との間に大きなタイムラグが生ずる結果、二重課税が排除できないケースが多い。国際競争力確保の観点からは外国税額控除の控除限度超過額及び控除余裕額の繰越期間(現行3年間)を米国並みの5年間に延長すべきである。又、繰越期間が経過し控除不能が確定した繰越外国法人税については損金算入を認めるべきである。

(2) 間接外国税額控除対象会社の拡大
 間接外国税額控除の対象会社に係る持株比率の基準を現行の「25%以上」から、主要欧米諸国並みの「10%以上」に引き下げるとともに、間接外国税額控除の適用範囲を、孫会社から曾孫会社にまで拡大すべきである。

7. 多様な事業体課税のあり方

(1) 日本企業が海外の事業体に出資した場合の持分所得に関する取扱いの明確化
@ 国税庁が公表した「米国LLCに係る税務上の取扱い」は法人格の有無によって法人課税かどうかを判断するとしているが、外国でパス・スルー課税される事業体がわが国で法人扱いとされることにより、わが国における外国税額控除の適用等に関し、重大な問題が生じている。国際的二重課税の排除を理論通り作動させるためには米国LLC等の持分所得についてはわが国においてもパス・スルー課税を認めるべきである。
A 法人格の有無によって法人課税かどうかを判断することは、諸外国においては一般的ではないし、世界中の事業体を法人格の有無等、単一の判断基準によって区分することは不可能でもある。わが国企業が海外の事業体に出資した場合の持分所得の取扱いについては、米国のチェック・ザ・ボックス規則に相当する制度を制定したうえで、日本企業の選択により法人課税かパス・スルー課税かを決定できるようにすべきである。

(2) 日本版LLCの創設に向けた検討
米国LLCは、組織運営の柔軟性とパス・スルー課税というパートナーシップの利点に加え、私法上の法主体性を備え有限責任であるという株式会社の利点も兼ね備えた事業体で、かかる事業体がわが国でも創設された場合にはわが国の経済活性化に大きく資することが期待できる。日本版LLCの創設に向けた税制面での検討を進めるべきである

8. その他

(1) 長期大規模工事以外の請負工事に関する工事進行基準の適用
 長期大規模工事以外の赤字の請負工事については工事進行基準の適用が認められていない。国際的に請負工事に関する費用収益計上基準の原則が工事進行基準になった現在において、税法が原則的な方法を認めないことは適正な会計慣行に反するだけでなく、適正な課税所得の計算の見地からも妥当性を欠くものといわざるを得ない。長期大規模工事以外の請負工事についても損益の如何にかかわらず、工事進行基準の適用を認めるべきである。

(2) 受取配当金益金不算入制度の改善
 連結法人株式及び関係法人株式以外の株式に係る受取配当金等の益金不算入割合は本来100%とすべきであるが、少なくとも直ちに80%に戻すべきである。又、負債利子控除の計算における特定利子規定を直ちに復活させるべきである。

(3) 法人実効税率の引き下げ
 諸外国が軒並み税率引き下げに動く中で国際的整合性等の観点から法人実効税率を少なくとも欧州主要国並みの水準に引き下げる必要がある。

(4) 年金資産に係る特別法人税の廃止と確定拠出年金に係る拠出限度額の引き上げ
 「拠出時・運用時非課税、受給時課税」の原則に反し、国際的にも例がない年金資産に係る特別法人税は即時廃止すべきである。又、確定拠出年金について非課税拠出限度額を大幅に引き上げるとともに中途引出しを容認すべきである。

(5) 環境税導入反対
 産業界は環境保護に向けて自主行動計画の策定・実行を強力に推進し、成果をあげている。環境税のCO削減効果は疑わしく、本税が導入された場合、わが国産業の国際競争力を阻害することに加え、エネルギー効率の低い国での生産が増加する結果、かえって地球規模でのCO排出量の増加を招くおそれもあることから環境税の導入には反対である。

(6) 租税特別措置の適用期限延長
 平成15年度末で適用期限が到来する租税特別措置のうち政策目的の意義が失われていない次の項目について適用期限を延長する必要がある。
@ エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除
A 中小企業者等が機械等を取得した場合等の特別償却又は法人税額の特別控除
B 再商品化設備等の特別償却
C 倉庫用建物等の割増償却
D 海外投資等損失準備金





一般要望項目

1. タックスヘイブン対策税制の見直し
   ・ 欠損金のある特定外国子会社も合算対象に。
   ・ 軽課税国判定基準の税率(現在「25%以下」)を「20%以下」に引き下げ。 
   ・ 課税済留保金額の損金算入の控除期間制限を撤廃。
2. 税制の簡素化及び納税コストの削減
   ・

消費税についても1月の申告期限の延長。

   ・ 道府県民税の利子割制度の廃止。
   ・ 法人事業税・法人住民税について統一納付機関の設置等による納付手続きの簡素化。
3. 土地税制の見直し
   ・ 不動産取得税、特別土地保有税、地価税及び土地譲渡益重課制度の廃止。
   ・ 長期所有土地等から建物、機械装置等への買換えに関する適用期間の無期限延長。
4. 地方税に関するその他の見直し
   ・ 「未経過固定資産税」から派生する問題の解決のため納税義務者の規定を見直し。
   ・ 法人住民税・法人事業税の超過税率撤廃。法人住民税均等割に係る課税の適正化。
5. 三角組織再編に係る課税繰延の特例措置の創設
   ・ 産業活力再生特別措置法に基づく親会社株式を用いた三角組織再編について課税繰延の特例措置を創設。
6. 印紙税に関する見直し
   ・ 請負契約書等に関する印紙税の廃止。
7. 海外個人所得税の見直し
   ・ 海外で発生した個人所得税を会社が負担した場合の不当な個人所得税課税の見直し。
8. その他
   ・ 寄附金損金算入限度額の引き上げ。
   ・ 交際費の損金算入。
   ・ 法人住民税の損金算入。
   ・ 工事進行基準経理による工事未収入金を貸倒引当金対象債権に組入れ。
   ・ 国税の納税証明書の税額区分を本税と附帯税の二本立て記載に変更。
   ・ 非上場株式の譲渡益に係る税率の軽減(26%→20%)等。



                                                     以 上
お問合せ先
本部(東京)企画調査部
TEL03-3434-6823
FAX03-3434-4767
mailto:prd@jsim.or.jp

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