有害大気汚染物質に関する自主管理計画
一般社団法人 日本産業機械工業会
平成 9年3月21日 理事会承認
平成10年7月22日 一部改定
平成12年3月28日 一部改定
平成13年9月19日 一部改定

はじめに

 大気汚染防止法(以下、「大防法」と略す)第18条の21では、「事業者は、その事業活動に伴う有害大気汚染物質の大気中への排出又は飛散の状況を把握するとともに、当該排出又は飛散を抑制するために必要な措置を講ずるようにしなければならない。(平成8年法32)」と定めている。

 同条に基づき、平成8年10月、旧通商産業省(現経済産業省)と旧環境庁(現環境省)は協力して「事業者による有害大気汚染物質の自主管理促進のための指針」(以下、「指針」と略す)を作成した。「指針」では、事業者に対し、自己責任に基づき有害大気汚染物質の大気への排出(飛散を含む)抑制を図ることを求めた。同時に、関係業界団体に対しても、平成11年度までの削減目標を含む「自主管理計画」の策定・周知が要請された。

 一般社団法人 日本産業機械工業会(以下、当工業会)では、この要請に基づき「有害大気汚染物質に関する自主管理計画」を平成9年3月に策定した。以後計画に基づき、会員に対する排出実績等の調査実施、対策事例集の作成、関係審議会に対する調査結果の報告、関係審議会によるチェック&レビューへの対応等に取り組んできた。  平成12年12月、関係審議会においてこれまでの取組結果が取り纏められ、事業者の自主管理による有害大気汚染物質の大気排出削減効果の有効性が確認された。これにより平成13年6月、平成15年度大気排出量削減目標の策定を中心とする自主管理のための「指針」が公表された。当工業会に対しても、関係官庁より新指針に基づき対応するよう要請があった。

 以上のような状況の下、当工業会は、有害大気汚染物質の使用者として、「有害大気汚染物質に関する自主管理計画」に基づき、大気環境の改善に引き続き取り組むこととした。

 

1.基本的な考え方
 本自主管理計画は、次の基本的な考え方に基づき策定した。

(1) 本自主管理計画は、工業会会員(以下、会員と略す)の現状に基づいて策定するものであり、会員は、この本自主管理計画に基づき排出抑制対策を各々策定し、実行する。
工業会は、非会員の同業者に対しても、本自主管理計画に基づき、行動することを推奨する。
(2) 本自主管理計画に係る工業会の担当組織は、環境委員会とし、関係委員会並びに関係部会と緊密な連携を図る。
(3) 環境委員会は、「指針」別添1で提示された12物質を対象として、会員の排出実態、使用段階における排出抑制対策及びその結果を定期的に取り纏め、工業会の自主管理計画が確実に実行されていることを確認し、必要に応じて関係先に情報提供を行う。
(4) 本自主管理計画は、基準年度を平成11年度、目標年度を平成15年度とし、その間の調査、検討結果等を踏まえて、目標年度以降の内容を見直すこととする。
(5) 本自主管理計画は、大防法第18条の21に規定する「事業者の責務」を果たすものであって、法・条例など法的拘束力を持つものに優先するものではない。
 
2.工業会の現状
(1) 有害大気汚染物質の使用及び排出等に関する調査
工業会は、会員に対し、「指針」別表1で提示された12物質を対象として、核物質毎の使用量・排出量の実績並びに主な排出源、現状の排出抑制対策、今後実施すべき排出抑制対策及び期待される効果につき、平成9年度以降定期的に調査を実施している。
(2) 本調査結果
調査の結果、会員製造事業所では以下の物質の使用が確認されている。
 
使用物質名 主な使用目的 排出理由 実施した排出抑制対策
ジクロロメタン 部品脱脂
塗料希釈
蒸 発 代替物質への転換(使用全廃を含む)
運用改善(小出しによる蒸散量の削減等)  等
テトラクロロエチレン 部品脱脂 蒸 発 設備改善(回収設備設置、炭化水素系洗浄装置の導入による全廃等)
代替剤使用(ポリウレタン系、水溶性)
代替物質対応の洗浄機に変更 洗浄機集約による蒸散抑制   等
トリクロロエチレン 部品脱脂 蒸 発 代替物質への転換(使用全廃を含む)
設備改善(回収設備設置、洗浄・脱脂浴槽の改良等)   等
 
3.排出削減計画
(1) 削減対象物質
平成12年度定例調査結果に基づき、工業会は、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン及びトリクロロエチレンの3物質を削減対象物質とする。
(2) 排出削減目標
平成15年度末における対象物質毎の削減目標は以下のとおりとする。
 
使用物質名 平成15年度の
大気排出量(目標)
参考:削減率
(平成11年度実績基準)
ジクロロメタン 108.7t 14%
テトラクロロエチレン 25.9t 26%
トリクロロエチレン 51.3t 47%
(3) 排出抑制対策
平成15年度末までに会員企業が実施を予定する、主な大気排出抑制対策は以下のとおりである。
 
使用物質名 平成15年度までの主な排出抑制対策
ジクロロメタン 洗浄方法の転換(蒸気洗浄、他洗浄方法の開発)
代替物質への転換(イオン水、水系、トルエン  等)
運用改善(使用対象の選別徹底、洗浄機開発等) 等
テトラクロロエチレン 回収設備の増強、改築
代替物質への転換               等
トリクロロエチレン 回収装置の設置
代替物質への転換(水系洗浄、アルカリ洗浄等)
運用改善(使用対象の選別徹底、蒸発防止対策等)等
※製造部品や工程により対策は異なる。
(4) 目標達成状況の評価(毎年度)
工業会は各年度末に、会員に対して対象物質ごとの使用実績及び削減状況、排出抑制対策等を調査・把握し、計画達成状況の評価を行う。
 
4.工業会会員の役割
(1) 事業所内への周知
会員は、自社の事業所が「指針」で提示された12物質のいずれかを使用している場合は、当該物質の毒性等に関する物性情報、使用の実態等を事業所内関係者に周知する。また、作業要領の策定、教育・訓練等を必要に応じて実施する。
(2) 使用実態・周辺環境影響の把握
会員は、物質毎の年間購入量・使用量及び大気排出量を把握する。大気排出量の把握方法は、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律施行規則」(PRTR法施行規則)に規定する算出方法を準用する。
また、事業所周辺の濃度については、地方公共団体が事業所周辺で大気環境濃度測定を実施している場合はその結果を、自らの責任で排出口、敷地境界等でのモニタリングを実施する場合には「大気汚染防止法の常時監視に係る法定受託事務の処理基準」に定める測定方法等を参考として、把握に努める。
(3) 排出抑制計画の策定、実施及び見直し
削減対象物質を使用している会員は、該当する物質について、排出抑制技術の活用、製造工程の変更、代替物質の使用等を盛り込んだ平成15年度までの排出抑制計画及び数値目標を策定・実施し、毎年度末に見直す。
(4) 工業会への定期報告
会員は、前年度の下記進捗状況を、毎年4月末までに工業会に報告する。
・ 当該物質の使用量及び大気排出量、未使用の場合はその旨
・ 当該物質の排出削減対策進捗状況及び今後の削減計画
・ 測定を実施した場合、排出口・敷地境界濃度等の測定結果
(5) 取引関係事業者・地域住民等への「自主管理」の周知及び情報提供
工業会が実施する自主管理の趣旨を取引関係事業者に周知するとともに、関連情報を提供する。取引関係事業者の自主管理実施にあたっては可能な限り支援する。
また、地域住民の理解増進を図る目的から、取組状況等に関する情報提供等に努める。
 
5.工業会の役割
(1) 工業会は、理事会による機関決定の後、「有害大気汚染物質に関する自主管理計画」を会員へ周知、徹底する。
(2) 工業会は、毎年度実施する調査の結果を取組状況報告書として取り纏め、関係審議会へ提出し、チェック&レビューに対応する。
(3) 工業会は、関係審議会のチェック&レビューの結果を会員に通知する。
 
補遺
 平成10年7月22日  平成11年度目標の見直し、修正
 平成12年3月28日  環境委員会新設に伴う実施組織等の変更
 平成13年9月19日  新指針に基づく修正、平成15年度目標の策定
 
補遺 「有害大気汚染物質に関する自主管理計画」目標削減率
 
使用物質名 平成11年度目標 平成15年度目標
平成9年2月
計画策定時
平成10年7月
削減率見直し
平成13年9月
計画改訂
ジクロロメタン 20% 15% 14%
テトラクロロエチレン 35% 30% 26%
トリクロロエチレン 50% 45% 47%
 
補遺  適用条文
大気汚染防止法第18条の21
「事業者は、その事業活動に伴う有害大気汚染物質の大気中への排出又は飛散の状況を把握するとともに、当該排出又は飛散を抑制するために必要な措置を講ずるようにしなければならない。」(平成8年法32)
以 上
 
お問い合わせ先
企画調査部
TEL 03−3434−6823
FAX 03−3434−4767
mailto: prd@jsim.or.jp

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